フランス在住★高齢出産女の社会時評

現地の生活者ならではの内容、しかし、ただ生活しているだけではない観察眼が売り

イエメン戦争とフランス製の武器、そして調査報道の意義

ノートルダム火災でかすれてしまいましたが、4月15日、フランスがサウジやUAEに売った武器がイエメン戦争でどうやって使われているかを示す軍事機密文書がリークされています。
https://www.ccijf.asso.fr/ja/news-france-hebdo/5682-actu-france-2019-04-17-01

フランス政府はサウジに売った武器が、防衛に使われているときいてるか、空爆には使われていないと説明していたようですが、この文書と衛星画像などから、攻撃や空爆に使われ、民間人の犠牲者を出していることが暴かれ、政府の言ったことが真っ向から否定されております。

これを出したのは、フリーや報道機関のジャーナリストなどから構成される、調査報道専門を専門とするWEBベースのメディアで、その名もDisclose。寄付から成り立つ独立した非営利の組織であります。
https://made-in-france.disclose.ngo/en

ちなみに、購読料だけから成り立つwebメディアMediapart(設立者はルモンド紙出身)も、調査報道に強くスクープ連発して好調な様子。フランスメディア界には変化が訪れていますね。

フランスのマクロン大統領はトランプ大統領と比べると、国際協調主義の擁護者のイメージがありますけれども、彼はフランス軍需産業の「営業」でもあります。そして、サウジは大事な「お客様」です。フランスは世界第3位の武器輸出国でサウジはそのお客さんとして第6位です。今回、イエメン戦争で攻撃用途で使われている武器を作っていたのは事実上の国営企業ネクスターです。

ドイツが、サウジへの武器輸出を停止した時もフランスはいい顔をしませんでした。
https://mainichi.jp/articles/20181026/k00/00m/030/090000c

 「専守防衛でお願いします」、と言って通用する国ではななさそうだよね、サウジ。問題の機密文書も、”一度売っちゃったら使い方までは分かりませ~ん”、と白状しているようだ。

気になるのは、このwebメディアの創設者が、国内治安総局の呼び出しを受けているということ。また、内部通報者の保護は軍事機密の保護には該当しないともサイトには書いてあります。メディア側はもちろんリークの公益性を強調していますが、報道の自由、ソースの秘匿、内部通報者の保護がどうなるか。これによってイエメン戦争へのフランスの関与について、議論が起きるか。

国際政治の舞台でいい顔しつつ、リビアやシリアをひどい状態にしたフランスの二枚舌が今までずっと気になっていた。調査報道で気を吐くフランスのジャーナリストたち。頑張ってほしい。